2018.03.09 03:54第十回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞「隔ての壁をのり越えて」大庭 昭博 八月六日、広島に原爆が投下された日の朝のニュースでオーストラリア・カウラの映像が流された。第二次大戦中に日本人捕虜が集団脱走をして、二〇〇人以上の死者を出した事件である。その事実にオーストラリア人は向かい合い、歴史教育として子どもに語り継ぐ試みがなされていた。日本で同じような歴史教育がどれだけなされているのか、暗澹たる思いにさ...
2018.03.09 03:53第九回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞 「和解の道を開く」関田 寛雄 本日ここに第九回追悼礼拝を行うに当り、二〇〇三年というこの年をめぐって想起すべき三つの事があります。 その第一は一九二三年九月、今からちょうど八〇年前、関東大震災という日本社会を揺るがす大事件が起こりました。しかし、その際、特に記憶すべき事は、約六000人の朝鮮人、約五〇〇人の中国人が、全くの「作られた情報」つまりデマにゆさ...
2018.03.09 03:51第七回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞 「正義と平和は口づけし」関田 寛雄 今年もまたこの地において和解と平和を求めての追悼礼拝を守ることができるのは、神の導きであると共に、多くの志を同じくする方々の熱意と努力に負うところが大きい。第二次大戦における多くの犠牲者は、この地に眠る方々も含めて、今を生きる私どもに声なき声で叫んでいる。「正義と共に平和を、そして平和と共に正義を」と。 詩篇八五篇の二~一四...
2018.03.09 03:49第六回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞「“霊の人”と“和解”」大庭 昭博 戦争がどれだけ多くの人々の生命を奪い、また悲惨な苦しみへとまき込んでいくのか、戦後の日本においては時間と共に、その記憶の風化が進んでいる。しかし記憶は、忘却の彼方へ流されるものではなく、戦争の記憶が犠牲者の方々のものであれば尚更、何らかの形で語り伝えられていかねばならないのだと思わされる。その記憶が根源的なところで癒され、その...
2018.03.09 03:48第四回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞「ピースメーカーとして」関田 寛雄 第四回の追悼の集いをここに開くことができましたことを心から喜びたいと思います。今朝の新聞をご覧になりました方はおわかりと思いますけれども、小渕内閣が組閣されたばかりのこの時に、はやくも中川農林水産大臣が「日本の中学校の歴史教科書から、従軍慰安婦の問題、南京事件なども削除するように」というような発言をなし、文部大臣もあわててこれ...
2018.03.09 03:46第三回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞「狼は小羊と共に宿る」関田 寛雄 アジア・太平戦争が終わりまして五十二年経過し、又この暑い夏を迎えました。今日私たちは、アジア・太平洋戦争において特に泰緬鉄道建設という日本軍によって行われた歴史的虐殺と戦争の罪、さらに又シンガポール、ニューギニア、ニュージーランド、オーストラリアその他太平洋諸地域における、日本軍の様々なる侵略と暴挙によって犠牲になった方々、さ...
2018.03.09 03:44第二回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞 平和の礎「キリストは我らの平和」関田 寛雄本日は、ここに英連邦捕虜戦没者の集いをもつことができまして、大変幸いでございます。すでに戦後五十一年を迎えました。二一世紀に向かおうとしておりますこの時に、我々日本の国は本当に世界の平和のために、その国の成り立ちを規定しております憲法にふさわしい貢献をしているかどうなのか、ふり返ります時に誠に残念なことが多くございます。二一世紀...
2018.03.09 03:42第一回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 追悼の辞 平和の礎「明確な謝罪と補償を」関田 寛雄第二次世界大戦終了後五十年を迎えますこの年、この日、この連合軍、特に英連邦戦没者の墓前におきまして平和の礎を求めながら、ともに追悼の集いを持つことができますことを心から神に感謝致します。 この時にあたり、平和の礎を支える三つのことについて、今日はお互いに思いを深めたいと思います。 第一は過去に関することであります。第二次大戦後、...