「永瀬さんの友情に感謝!」

 デイヴィッド・バレット
(元オーストラリア軍衛生兵)

 クワイ河基金によって招かれ、今日この追悼礼拝に参列できたことに感謝いたします。特に永瀬さんの友情に感謝しております。永瀬さんという方は東南アジアと日本の関係のみならず、世界の平和と和解のために努力している最大の人だと思います。こんなに努力をしている人は他にいないと思います。私はここに立って胸が熱くなってくるのを感じます。いろいろな感情がこみ上げてきます。この会が終わったあと、しばらくここにとどまっていろいろなことを考え、そして平和のことを思いたいと思っております。どうも今日はありがとうございました。

〈付記〉永瀬隆氏は終戦後、三週間にわたって泰緬鉄道沿線の連合軍捕虜基地捜索隊に通訳として同行した。バレット氏はその捜索隊の隊員の一人、つまりお二人は六〇年昔の同志ということになる。

 第四回戦没捕虜追悼礼拝に、永瀬氏の招待で出席したバレット氏は、オーストラリアへ帰国後、地元のゴールド・コースト紙のインタビューの中で、「私はかつての敵に対する信頼を回復し、さらに尊敬の念すらいだいて帰って来た。彼らは私たちの苦労を理解し、戦争を反省している」と述べておられます。


『敗戦60年 戦争はまだ終わっていない 謝罪と赦しと和解と』(2005年8月発行)より、編者である雨宮氏の許可を得て転載させていただきました。