第29回英連邦戦没捕虜追悼礼拝「主催者代表挨拶」

第29回英連邦戦没捕虜追悼礼拝 主催者代表挨拶

「自分の足を使って」

「英連邦戦没捕虜追悼礼拝」実行委員会 

代表 奥津 隆雄

「足には平和の福音の備えをはきなさい。」

エペソ人への手紙6章15節

大使館代表の皆様、および本日参加の皆様。

まず初めに、本日この追悼礼拝にお集まりいただけましたことを心から感謝いたします。今年もこの追悼礼拝を持てましたことを神様に感謝致します。

昨年の12月14日、この追悼礼拝で第1回からほぼ毎年「追悼の辞」のメッセージをしてくださいました関田寛雄先生が亡くなられました。94歳でした。また、今年の1月12日には、3人の呼びかけ人の一人であった雨宮剛先生も天に召されました。88歳でした。思い出されることは、関田先生も雨宮先生もご自分の足を使って、毎年この英連邦墓地に来られていたことです。それは、この場所に来て、亡くなった捕虜の方々やご家族の方々に思いを馳せ、日本の行った罪を悔い改め、それを謝罪し、和解を求めるためでした。私たちが毎年この墓地に来るのも同じです。この墓地に毎年足を運び、亡くなった捕虜の方々やそのご家族たちに思いを馳せるためです。また、自分の中にも同じ罪があることを認め、それを悔い改め、神様から罪の赦しを頂くためであります。

本日の聖書のことばにあります「平和の福音」とはイエス・キリストにある「罪の赦し」のことです。イエス・キリストは罪のないお方でありましたが、私たちの罪のために、十字架にかかって死なれました。その事によって、私たちの罪が赦され、私たちは神様と和解をすることができました。それが私たちに与えられた平和です。私たちがその平和を自分の足に履くならば、私たちは自分の家族、職場、学校、地域、友人知人の所に平和を運ぶことができるのです。私たちが毎年この墓地に足を運ぶのは、その「平和の福音」を改めて自分の足に締め直し、また元気に平和を運んで行くためです。

永瀬隆さん、斎藤和明先生、雨宮剛先生の3人の呼びかけ人と関田寛雄先生は私たちに「平和と和解」という遺産を残してくださいました。これは本当に素晴らしい遺産です。今度は私たちがこの「平和と和解」を次の世代に継承する番です。そのためには、私たち自身が、この「平和の福音」を足に履き、「自分の足を使って」それぞれが遣わされた場所に平和を運んで行く必要があると思います。

インターネットとAIの時代に入っていますが、インターネットとAIだけでは決して「平和と和解」は継承されて行かないはずです。インターネットとAIは時間がとても速いのですが、継承には長い時間がかかります。私たちには雨宮先生や関田先生とともに同じ道を歩き続けた長い時間があるからこそ、「平和と和解」の継承がなされて来たのです。ですから、私たちも一人ひとりが「平和と和解」の道のりを「自分の足を使って」次の世代の者たちと歩き続けなければならないと思います。

どうぞ、これからもこの追悼礼拝にご参加ください。この墓地に足を運んでください。私たちはこれからも、この追悼礼拝を続けてまいります。どうぞ、ご支援ご協力を引き続きお願いいたします。

本日は、暑い中、ご参加くださり本当にありがとうございました。皆様の上に神様の祝福が豊かにありますように。