「友情、赦し、平和への選択」

英連邦代表・ロジャー・E・シアソン
(カナダ大使館付武官海軍大佐)

 

キリスト教信仰は私たちに善と悪との違いを教えてくれます。主なる神は、私たちが何が善であり何が悪であるかを識別し、そして善を悪から識別していく知恵を与えてくださいました。正しい選択、善なる選択、それは愛の選択です。友情、赦し、特に平和へ向かっての選択です。悪の選択は憎しみです。自己中心的に物事を量る態度です。頂点に戦争があります。しかしその戦争は国家によって行われる故に様々な個人を破壊に導きます。若者を、そして兵隊を、市民を家族をバラバラにします。

 正しい選択か、悪なる選択か、その選択の前に私たちは今立たされています。それは赦し合うか、それとも憎悪で戦うかという選択です。今日私たちは、その選択の中の、共に赦し合うという選択をしたのです。

 今日、ここに集う我々一人ひとりは、その事を胸に刻みつけていただきたいと思います。そしてここで亡くなっていった人々の、その命を胸に思い続けるべきであります。


『敗戦60年 戦争はまだ終わっていない 謝罪と赦しと和解と』(2005年8月発行)より、編者である雨宮氏の許可を得て転載させていただきました。